ストローク Q&A

A.

ストロークと、Adobe Illustrator はどちらも ドロー系画像編集ソフト という、同じ種類のソフトです。まず、歴史が古いこともあり、Adobe Illustrator の方が機能が圧倒的に豊富で、当然ながら、その分高価です。

ストロークでできること

ストロークは、基本的に、3 次ベジェ曲線による自由曲線を描くためのソフトです。もちろん、直線も 3 次ベジェ曲線で表現できるので描けます。また、テキストをベジェ曲線に変換する機能があるので、テキストを描いたり、文字の形を変形してロゴなどを作成できます。

ストロークで描画した線や、その内部の塗りつぶしには、単色のほか、一方向に変化するグラデーションとテクスチャー画像が利用できます。ただし、グラデーションやテクスチャー画像で塗った場合、画像を含む PDF が出力されるので、純粋なドロー系エディターとして使う場合には、グラデーションやテクスチャー画像は使用しないようにします。

画像を挿入する機能を使うと、下書きとして利用できるので、写真やラフなスケッチをトレースして、イラストを作成することができます。

ストロークの特長

ストロークを作成した主な動機は、Adobe Illustrator のベジェ曲線編集機能がいまいち使いにくいところにありました。特に、コントロールポイントが小さいのでドラッグに失敗することが多く、大変いらいらしていました。

ひょっとすると Illustrator の最新版では解消されているかもしれませんが、Illustrator のベジェ曲線編集機能が使いにくいと感じた方は、ストロークを使ってみてください。他にも直感的に使えるような改善を施したつもりです。

ストロークには、PDF で出力する機能があるので、仕上げを Illustrator で行うこともできます。また、価格が安いので、ベジェ曲線の入門用として、あるいは、プロのデザイナーに渡す原稿を自分で作成したいという人にも向いていると思います。

制御点ごとに線の太さを指定できる

ストロークの、もう一つの特長は、制御点ごとに線の太さを変更できるところです。この機能を使うと、太さが一定な線に比べて生き生きとした線を、比較的簡単に描くことができます。また、太さが 0 の区間には、線が描画されないので、途切れ途切れの線からなる領域を塗りつぶすのにも便利です。

この例では、目の上と下の線は同じ線の一部で、左右は太さ 0 の線でつながっています。このため、白い塗りのために、新たな図形を作成する必要がありません。

※ 最新版の Illustrator でも線の太さを途中で変更できるみたいですが、使ったことが無いので、ストロークと同じなのか、違うとしたらどう違うのかわかりません。

グラデーションを構成する色として透明度を指定できる

ストロークでは、グラデーションを構成する色の属性に、濃さがあります。濃さは不透明度を表す値で、小さくすると半透明になり背後の色が透けるようになります。最新版ではわかりませんが、ちょっと古い Illustrator ではグラデーション全体の透明度しか設定できなかったと思うので、ちょっとした違いかもしれません。

CMYK での編集が可能

これは、Adobe Illustrator でもできるので違いではありませんが、多くのソフトではできないので、特長として一応、ここに記しておきます。

ストロークでできないこと

Illustrator にできて、ストロークにできないことはたくさんありますが、どんなに工夫してもできないことは、特色 (金色など特殊なインク) を扱うことです。この機能は、将来的にも、ストロークには実装しないと思います。

他にも、円や楕円、正方形などを簡単に描く機能などもありませんが、苦労すれば、ベジェ曲線で近いものは描けます。もちろん、簡単に描けた方がいいので、将来的には、同機能は実装予定です※。

※ 円、楕円は、3 次ベジェ曲線での近似になる予定です

あるいは、図形のオフセットに相当する機能、ワープなどの変形機能、位置合わせ機能、座標によって点を指定する機能、図形の積や和を求める機能なども無いので、今のところ、キッチリした図を描くのには、あまり向いていません。

また、直接印刷する機能が無いので、PDF に出力してから PDF リーダーで印刷したり、TIFF などの画像で出力してから、他の画像編集ソフトで印刷する必要があります。これも将来的には、実装したい機能になります。

他にも、Illustrator にできて、ストロークにできないことはたくさんありますが、自分が重要だと考える機能についての考察は、以上です。