位置みたいなものですが、周期的に「同じ位置」に戻る気持ちのときは、位相と呼びます。例えば、月の満ち欠けの度合いなどは位相と呼べるでしょう。
位相を指定しない場合、開始画像がそのまま出力される最初のフレームの位相を 0 とします。また、終了画像が出力されるフレームの位相は 1 です。復路を考えた場合、開始画像に戻ったときの位相を 2 と考えます。位相の周期は 2 なので、2 は 0 と同じです。
通常、位相 2 の出力と 0 の出力は一致しますが、条件によっては一致しないことがあります。例えば「復路で反転」チェックボックス群の「色」のチェックが無い場合、位相の 0 と 2 では異なる色が出力されます。また、この場合、0 より小さい位相や 2 より大きい位相もそのままの値が使用されます。
例外的に位相 2 で元に戻らない条件は、「復路で反転」チェックボックス群でチェックをはずしたものを出力する場合、もしくは、往路が「なし」で、補間方法が「直線 - 線形」の場合の点の位置を出力する場合です。
補間方法が「円、楕円」、復路が「回転」、補間フレーム数が「2」の場合の例で説明します。ある点の開始点、終了点が ↓ の図のような位置にある場合、
2 番目のフレームでは、点の位置は、1 / 3 のところに、次のフレームでは 2 / 3 のところに移動します。4 番目のフレームでは、3 / 3 の終了点に移動し、5、6 番目のフレームでは、4 / 3、5 / 3 の位置へ移動します。
この、0 / 3 ~ 5 / 3 の値が位相です。中間フレーム数が 2 の場合、0 ~ 1 の区間を 3 つに等分するので、1 / 3 単位で位相が増えていくことになります。
ストロークループアニメーターでは、入力画像の図形、レイヤー単位で位相をずらす高度なオプション機能があります。例を見た方が早いので例で説明します。
開始画像には、風船をつまんだ手を描いたものを与えます。終了画像では、全体を上に平行移動したものを指定して、アニメーションを生成すると ↓ のようになります。
補間方法で「直線 - 三角関数」を指定したので、単純に上下に振動します。
同じ入力画像で、風船の位相を -0.1 ずらすと ↓ のようになります。
手の動きと、風船の動きがずれて、風船のゴムっぽい雰囲気がでました。
図形ごとに位相をずらすと、開始フレームでの出力画像が、開始画像と同じにはならなくなるので、予想通りのアニメーションを生成するのに、ちょっとした想像力が必要になりますが、うまくいけば、ちょっと複雑なアニメーションが簡単に生成できます。
ちなみに、終了画像での風船を横に伸ばすと ↓ のようになります。
カンタンなわりに、結構リアルですよね。
位相は開始画像のレイヤー、図形の「名前」で指定します。
ディフォルトの括弧は、{} なので、名前に {} を含めると位相を指定できます。例えば、水風船{-0.1} のように指定すれば OK です。
開始画像で指定されている位相を、一定の倍率で変更することもできます。例えば、「水風船{-0.1}」の位相は、2 倍すると、-0.2 になります。なので、開始画像で指定する位相が 1 つだけの場合は、「水風船{1}」のように 1 を指定しておくと、倍率でズレを直接指定できます。
位相に掛ける倍率は、メイン画面、位相グループで指定します。
位相グループのチェックボックスのチェックが無い場合、入力画像の位相は無視される (位相に 0 を指定した場合と同じ結果) ので注意してください。
括弧、括弧閉じ コンボボックスの値を変更すれば、位相の指定に使用する括弧を好みのものに変更することもできます。
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