Q&A - ミルノ PC フォトフレーム

A.

ミルノ PC フォトフレーム で指定できる 「設定画面 > 最適化タブ > 全般グループ > 並列実行数」 は、画像読み込み用スレッドの数に影響します。

結論を先に書くと「2 ～ 論理 CPU の数」に最適なものがあります。ただし、同時にディスクにアクセスしても、ディスクの読み込みは速くならないので、あまり大きな値を指定すると、体感上、遅くなる場合があるので注意してください。

多くの人にとっては、2 ～ 4 くらいが妥当です。もっと増やしてみたい人は、先の説明を読んで、デメリットを理解してからの方がいいかもしれません。

論理 CPU の数とは？

コンピューターが同時に実行できるプログラムの数です。古典的には CPU の数と一致するのですが、最近の CPU では、1 つの CPU に複数の演算ユニットが入っている場合があるので、一致しないことが多いです。また、ハイパースレッディングを ON にすると、倍になります※。

※ ハイパースレッディングを ON にすると 1 つの演算ユニット (コア) が 2 つのプログラムをある程度同時に実行できるようになるので、倍になります。ただし、本当の意味で同時に実行できるわけではないので、ON にするとアプリケーションによってはかえって遅くなる場合もあります。

スレッドとは？

プログラムの実行単位です。例えば 2 つのスレッドを使うと、2 つのプログラムを、あたかも同時に動いているかのように、見せかけることができます。

見せかけると書きましたが、論理 CPU が 2 つ以上ある場合には、実際に同時に動く場合もあるし、動かない場合もあります。例えば、論理 CPU が 1 つの場合、本当に同時に動くことは無いのですが、各スレッドのプログラムを少しずつ、順番に実行することで、同時に動いているように、見せかけます。

画像読み込み用スレッドの数に影響とは？

ミルノの主なスレッドは、メインスレッドと画像読み込み用スレッドの 2 種類です。メインスレッドは、画面を表示したり、ユーザーの操作に直接反応したりするための最も重要なスレッドで、設定に関係なく 1 つです。

画像読み込み用スレッドは、画像の読み込み、展開、拡大・縮小などを行う画像読み込み用のスレッドです。並列実行数から、メインスレッド分の 1 を引いた数だけ同時に動きます。例えば、並列実行数が 2 なら 1 つ。3 なら 2 つ同時に動きます。0 にはならないので、並列実行数を 1 にしても、1 つは動きます。

並列実行数を増やすメリット

並列実行数: 3 の場合で説明します。並列実行数を 3 にすると画像読み込み用スレッドの数が 2 になります。この場合、2 つのスレッドが、それぞれ別のファイルを、同時に読み込むようになります。

スレッドを 2 つ使用してもディスクの読み込みスピードは上がりませんが、画像の展開や、拡大縮小は、CPU のコアが 2 つ以上ある場合は、2 倍になります。

結果、2 枚の画像を表示できるようになるまでのトータルな時間が速くなります。

並列実行数を増やすデメリット

メリットと同様、画像読み込み用スレッドが 2 の場合について説明します。

2 枚のファイルを同時に読み込んでもディスクの読み込みスピードは 2 倍にならないため、1 つめのファイルの読み込みにかかる時間が倍近くになりがちです。

わかりづらいので例で説明します。同じ水量しかでない蛇口から水を入れる場合を考えます。2 つのコップを順番に設置する場合、1 つ目のコップが 5 秒後に一杯になるとすると、2 つ目のコップが一杯になるのは 10 秒後です。一方、2 つのコップに同時に半分ずつ水が入るように設置した場合は、2 つのコップの水量が同時に増えていき、10 秒後、同時に一杯になります。

この例でわかるとおり、2 つのコップが一杯になるまでの時間はかわりませんが、1 つ目のコップが一杯になるまでの時間が倍になるわけです。

複数の画像を同時に表示している場合

極端な例として、1 枚の読み込みに 1 秒かかるとしましょう。画像読み込みスレッド数が 1 の場合、1 秒ごとに、1 枚ずつ画像が順に表示されていきます。次に、画像読み込みスレッド数を 10 にした場合、10 秒近い時間後に 10 枚の画像が一度に表示可能になる可能性があります。スレッドの効果により、10 枚の画像が 5 秒で表示できたとしても、1 秒ごとに 1 枚ずつ見られるようになった方がより速いと感じるかもしれません。

先読みの場合

ミルノで、1 画像モード、画像読み込み用スレッドが 2 の場合、先読みでは 2 つ先と 3 つ先の画像が同時に読み込まれます※。スレッドの効果により、2 つの画像の読み込みと展開が完了するまでのトータルの時間が短かくなりますが、2 つ先の画像の読み込みが完了するまでの時間は、長くなる傾向にあります。

そのため、体感上遅くなったと感じる場合があります。これがデメリットです。

※ となりのページを優先的にロードする機能があるため、1 つ先の画像の先読みは、1 つのスレッドで優先的に実行されます。よって、問題となってくるのは、2 つ先と 3 つ先からになります。